なにわのバレエダンサー 飯田慧

大阪出身のバレエダンサー。 アメリカ ワシントンで留学経験を積みアメリカのバレエ団に入団! そんな僕の些細なことから、苦悩や葛藤に至るまで不定期ではありますが綴らさせていただきます。

カテゴリ: バレエダンサー

【拡散希望】

おはようございます。

三月末(23日)~六月中旬頃まで、VISAの更新の為日本に帰国することになったんですが、

帰国後、クラスを受けるところも予定も特に無いという状況なんですが
誰かそんな僕にクラス受けに来てもいいよー、っていう心優しい方はいらっしゃらないでしょうか?

後、単発でも
・パドドゥクラス
・クラス指導
・舞台お手伝い

とか出来たらな~とか思うので、お気軽に声をかけて頂けると幸いです。

男手の足りてない所とか、ちょっとパドドゥの相手になって欲しいみたいな方がいらっしゃったら、
お伝え頂けると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。





メールアドレス
kira.ballet.2017@gmail.comScreenshot_20170829-215926

『2017-2018シーズン』

おはようございます。
前回の記事を投稿したのがクルミ割り人形の頃だったと記憶してますので、かれこれ三ヶ月ぶりの近況報告となりますね…。

年が明けて三ヶ月。

だいたいこのくらいになると、年始めに立てた【今年の目標】みたいなものをすっかり辞めていたりするものですよね(笑)


ちなみに僕の今年の目標は、スバリ。

【来年から本気出す。】


なので、僕は有言実行できているのかな?ってかんじです(笑)




さて、長い前置きはこの辺にして
今回は、新年から今に至るまでの近況を綴らせていただけたらなと思います。


ちなみに、現在の状況をお話ししますと
お馴染みの通り、ツアー公演の為の移動中。
約六時間弱の車による移動時に書いているといった具合です。

なので、途中で眠たくなったり車酔いしたら雑な文章構成になってしまうだろうことを先に謝っておきます。




【Life Chance】
さて、新年始まってお話ししたいことは多々ありますが、今回は舞台に絞ってお話しさせて頂きます。

2018年一番最初の舞台は【Life Chance】と呼ばれる
確かチャリティーだったと思うのですが、
ボストンバレエ団やワシントンバレエ団など大きなバレエ団の、プリンシパルやソリストなど
今、世界の第一線で踊っている、まさに今の時代を作り上げているダンサー達が集結し、一つの舞台を作り上げていくGALA公演がありました。

勿論その中には、ワシントン時代ずっと憧れて続けていた先輩ダンサーの名前もあり、興奮と
そして、次は学生としてではなく同じプロとして共演することにかなり緊張していました。


しかし、舞台は何が起こるかわかりません。

それは公演が始まる前からです。


予定していたゲストダンサーの、急な怪我による出演キャンセル。
また、突然連絡が取れなくなることもあったりと、

主催者側も、当日誰か来て誰がこないかわからない。

そんな状況になっていました。



事実、公演前日とあるダンサーが怪我したために、急遽ソロのバリエーションをやることを芸術監督に直接言い渡され、

怪我をしてから一度も通してなかったバリエーションをなんとか一日で
今あるもので、代わりになりそうな衣装を見つけ出したり、振り付けに微調整を加え舞台に立ちました。


代役なんてのは、この世界たくさんある話ではあるのですが、僕自身そういった経験をしたことがなかったので前日は不安と緊張で足が震えました。

それも、僕はプリンシパル級のダンサーの代役だったこともあって、自分にその大役がつとまるのかといった悩みもあり、本当に気が気で無かったのを覚えています(笑)




この舞台で学んだことは、

学生時代、プロとして活動するためには安定した技術力が必要なんだと考えていたのですが、

それだけではなく、いざという時のアドリブ力、その場その場に対応できる力、
そして、突然何かを求められた時にそれに対処していく力。
常にいい状態にコンディションを保ち続け、自分を含め全体を把握し続ける必要があるんだなと思いました。


踊りというのは、自分だけの問題でなく案外周りの環境に左右されることが多いもので、
特に舞台では、今までなかった照明に目が焼かれたり、スモークが濃くて前が見えなかろうが、床が滑ろうが、
それらすべての事に、一つ一つ確実に対処して、自分なりに落とし込んでいく必要があるんだなと思わされました。

とはいえ、小道具がなかったり、しかるべき場所にしかるべき人がいないなど、どうしようもないことも多々あるんですけどね(笑)


そういう所もまた、舞台の面白さなのかもしれません。



【ドンキホーテ】

今シーズンの最後の舞台にして、クルミ割り人形と同じかそれ以上の規模で挑む舞台。

実はこのツアーもドンキホーテの公演のための移動だったりします。


ドンキホーテという作品は、世界観も独特で、キャラクターや小道具の多さなどもさることながら、シーン毎の表現の違いなどを要求される、バレエの中でも最上位の難しさを誇る作品となっていて
他の作品とは違い、的確にストーリーの流れを把握していなければならないという点において演じ手にとって厳しい部分も多い作品となっています。



僕自身は、以前日本で踊ったこともあるので、個人的にとても馴染み深い作品なのですが、場所が変われば求められることも変わるもので、

以前は良しとされていたものが、ここでは全然通用しないなんてことも多々あります。


特にドンキホーテの見ごたえの一つに、次々と出てくる特徴あるキャラクター達に、間髪入れぬ場面転換。
怒濤のように次々と新しい出来事が起こったりと、全く退屈しない展開が重なる訳です。

普段ボーッとしている僕とは正反対のような作品に、正直ついていけるか不安ではありますが、今シーズン残り僅か。
気合いいれていきたいとおもいます。
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『十代最後のクリスマス』

年明けたら二十歳。
今からもう震えが止まりません。

彼女いない歴=年齢
これからもよろしくお願いいたします(震え声)

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おはようございます。

今年も気付けばもう12月に入り、2017年も残すところあと僅かとなりました。

この2017年は僕にとっては激動の一年となりましたが、今年の初めにたてた目標の殆どを達成することが出来たので概ね良かったかなと思います。

この2017年、皆さんはどのように過ごされましたか?
思い残すことがあるとしたら、本当に残り僅かですので、悔いの残らぬようやっておきたいものですね。



では、長い前置きはここまでにして今回は【Nutcracker】(くるみ割り人形)についてお話させていただきます。

まず知らない人の為に簡単に説明しますと、欧米のバレエ学校及びバレエ団の多くは、年末(クリスマスシーズン)にくるみ割り人形の公演を上演するのが恒例となっていまして、

その上、公演数、規模、豪華さなどシーズンの中で最も力を入れて挑まれることが多く。

実際、僕が留学していたワシントンバレエでは、くるみ割り人形だけで約40公演も上演していました。

40公演って、日本のわりと大きなバレエ団の年間公演数くらいありますが、それを年末だけで上演するあたり
欧米のバレエ団がいかにくるみ割り人形に力をいれているかはわかっていただけたかなと思います。

他の演目と違い、毎年年末に大々的にやりますのでくるみ割り人形をみればそのバレエ団の規模や実力を見定めることが出来ます。

また、欧米のくるみ割り人形のおもしろさに
【ご当地オリジナル】があります。

これは、【ご当地キティ】に因んで僕が勝手にそう呼んでいるだけなのですが、名前の通り、一言で【くるみ割り人形】と言ってもバレエ団によって、演出や世界観が大きく違っています。

簡単に説明しますと、例えばワシントンバレエでは、数ある公演の内1公演に限ってですが、地元の球団とのコラボで、アメリカの首都ということもあってか、巨大な歴代大統領の着ぐるみが突如舞台上に現れ、ロシアの踊りの音楽に合わせて踊ったり、

有名所だとボストンバレエの熊の着ぐるみがキレッキレに踊っていたり

カナダでは白熊が出てきたりととにかく、地域によって、もっといえばバレエ団によって雰囲気が大きく違うというのが面白いところです。


このように、各バレエ団が毎回本気で挑んでいるということもあって、普段バレエをみない層の人々も
年末のくるみ割り人形は見に行くなんてことも多々あります。



「ご託はいい、お前のところはどうなんだ?」


と言われそうなので、僕のカンパニーのくるみ割り人形のお話をすると


ハッキリというと、ワシントンバレエと比べるとショボいです。


規模も、資金源も大きく劣っていてダンサーの、数も少ないので当然といえば当然なのですが、だからといって良いところがないのかといえばそんなことはありません。



では、コロンビアのくるみ割り人形の世界を裏側のお話を交えながらお話していきます。


まず、話し始める前に僕が頂いた役を演目の進行に沿って書いていきます。

・お父さん(プロローグ時)

・来客(クララの家に招かれた客)
・人形
・再び来客

・人形

・アラビア
・ロシア
・花のワルツ
・ロシア(コーダ)


おそらく、これを見た人はたくさん役を貰えて良かったね!
いくつキャストあって、何公演あったの?
と聞いてくれることでしょう。


しかし、勘違いしてほしくないのですが、これは1公演。つまり同じ公演でここに書いたものを全てこなしたのです。


コロンビアでの公演数は実に六回。
そしてキャストは2キャストしかなく、比率は3:3つまり半分はこの過酷な配役を任されていました。

おそらく、バレエをやっている人も豆鉄砲を食らった鳩のような顔になっていることでしょう。

ぼくも配役を聞いた時は、蝶野にビンタされるまえの月亭方正のような顔になっていました。


では、バレエを知らない人の為に簡単なくるみ割り人形のあらすじと流れを書き、この配役がどう過酷かを説明したしますと


【簡単なあらすじ】

くるみ割り人形。
おそらく日本では、あまり馴染みはないでしょうが、名前の通りクルミをの殻をわる
日本で言うところの、からくり人形の様なものでしょうか、
見た目は、イギリスなんかの兵隊のような格好をしているものが多く、後ろについているレバーを上下することで口が開閉し、そこにクルミをかませることで殻を割ることができるというもので、
バレエの世界では、実際のくるみ割り人形を使うこともあれば、人形やぬいぐるみで代用したり、人間が演じることもあります。


そんなくるみ割り人形がこの物語の鍵となって物語ははじまります。


舞台は、クリスマス。
名前は諸説ありますが、ここではクララとしておきましょう。

クリスマス、クララの家ではパーティーが開かれます。

バレエでは、プロローグでクララの家に向かう子供達や、雪合戦をする様子、パーティーに向かう貴婦人などが登場し、雪の降るクリスマスに楽しいパーティーがあるという様子を読み取れます。


そして第一幕。
舞台は、まさにクララの家。

繰り広げられる楽しいパーティーの様子、久しくあったクララの友達と遊んだり、いたずら大好きな弟がはしゃいだり、貴婦人が乾杯しながら優雅に踊ったり…。

そして、クリスマスといえば子供達にとってはプレゼント。
自分も昔はガオレンジャーのグッズを買って貰って喜んだ記憶があります(笑)


クララのお父さんと付き合いの長い人で、そしてクララをはじめとした子供達の人気者であるドロッセルマイアーという伯爵が、手品やまるで生きているように動く人形達を登場させて子供達は大喜び。

そんなドロッセルマイアーが子供達にプレゼントをもってくるのですが、

男の子には、兵隊の人形やなりきりセットのようなもの

女の子には、可愛らしい女の子の人形を

そしてクララに与えたものが、この物語のタイトルにもなっているくるみ割り人形。


おそらくここまで読んだ人にとって疑問に思ったのが、
あれ? 来客と人形一緒のタイミングで舞台におるやん。

って所でしょう。

大正解。

人形として登場する直前まで舞台にいて、舞台袖に入ると共に早着替え。
その間僅か一分未満。

スーツの下に人形の衣装を着ることで、ドリフ並みの早着替えを実現しました。

自分のサイズに合わせてつくったスーツの下に何枚も着るのは厳しいものがあり、最初は首が閉まって、唇が紫になって仲間に心配されていましたが乗り切りました(笑)

そして、人形の後はすぐさま来客に早着替え。


そして、物語はすすみます。


【戦いの場 あらすじ】

舞台は引き続き、クララの家。
楽しかったパーティーも終わり、家族は寝静まり、クララも寝る前に今日もらったくるみ割り人形を取りに、パーティーのあった大広間へ。

ここで、物語の歯車は回り始めます。


くるみ割り人形を取りに行ったクララの目の前にはとんでもない大きさのネズミが一匹、二匹とどんどん湧いて出てきます。

そして、そんなネズミの中にはとびきり大きく派手なネズミの王さままで出てきてクララに襲いかかります。
絶体絶命のピンチに絶望していたクララを助けに来たのがなんと、大きくなったくるみ割り人形。

昼間男の子たちがもらった兵隊の人形が等身大になり、クララを守ったり、クリスマスツリーまでもが大きくなったりと深夜の大広間では不可解なことが次々と起こります。


そして、ネズミの王さまとくるみ割り人形の一騎討ち。
ネズミの王さまの圧倒的な力におされていたくるみ割り人形を助けたのは少女クララ。

くるみ割り人形にあと一息で止めをさせるというところで満身していたネズミの王さまにクララが大谷翔平並みのピッチングでトゥーシューズを投げ、ネズミの王さま瀕死。

全米が泣いた。

もうそんなに強いならくるみ割り人形の助けいらないじゃんとか思ってはいけない。



あ、ぼくはクリスマスツリーが大きくなった後くらいで、不可解なことが起こっているという演出の一つで昼間の人形が暴走するというモノがあるのですが、そこをやってました(笑)


目が疲れてきたのでどんどんいきます。


【雪の国】

大谷翔平、失礼クララが助け出したくるみ割り人形は、実はお菓子の国の王子であったことが判明。

王子は、助けられたお礼と喜びからクララを色々な所へ案内してくれると言う。


最初に案内された場所は雪の国、空からは雪やアラレが降り注ぎ、雪の王、雪の女王、そして雪の精たちがお出迎え。
非常に美しい眺めで、クララも王子も大満足ですが

忘れないで欲しい。クララは寝巻き。

しかし、絶対寒いだろうけどそんな仕草は一ミリも見せない、少女にしてシュワルツネッガーのような精神力。
女はいつだって強い。まじ卍。



ここでは、僕は裏方の手伝いをしていましたが特に書くこともないので省略。


【お菓子の国】

クララに助けられた恩返しで王子が最後に連れてきたのがお菓子の国。

ここお菓子の国では、スペイン、ロシア、アラビア、フランス、中国、キャンディー、お花?、そして金平糖の精などがお出迎え。

地域によってはちゃんと全部お菓子だったりする。(例、ロシア→ハッカなど)


クララは、世界中の民族の踊りや夢のような世界、時間に感動を覚える。

クララは、この日のことを一生忘れることはないだろう。










という壮大な夢を見た。(寝オチ)


というお話です。


各幕によって、文章構成やニュアンスを変えて書かせていただきましたが、だいたいあってると思います(笑)

分かりにくいと思った方はすいません。
コメント欄で罵倒して下さって構いません(笑)


では、バレエをやってない方にもだいたいの流れをつかんでもらえたと思うので、どういうことか改めて言いますと

ずっと舞台にいる。


こういうことです。



そして、早着替えまじキツい。


二幕の流れは
・スペイン
・アラビア ⬅️
・中国
・フランス(葦笛)
・ロシア ⬅️
・キャンディーボンボン
・花のワルツ ⬅️
・シュガープラム
・フィナーレ ⬅️



⬅️この矢印のところが僕です。
追記するなら、ロシアのブーツはヒモブーツで上までくくるのに時間がかかって、アラビアからロシアの時は約四人係りで着替えてました。(それでも間に合わないことも…)



本当はちょっとしたハプニングとかも書いていきたいなと思っていたのですが、次の機会にさせてください。


久々に長文疲れました(笑)

最後まで読んでくださった方がいるかどうかわかりませんがいるなら本当にありがとうございます。


また次回の近況報告でお会いしましょう。
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